28歳 男性
野菜の作りわけ…その理由とは
農家の方と懇意にさせて頂いているのですが、その方は『出荷用』と『食べる用』の二つの野菜を生産しています。
出荷用は、JAなどで決められたとおりに農薬を使った見かけが綺麗な野菜で、食べる用は、正真正銘無農薬の絶対に売り物に出来ない見かけの野菜です。
生産している理由はもちろん2つで味に大きな差があるからです。
食べ比べもさせていただいたのですが、『出荷用』は美味しいのですが、野菜の味がせず、『食べる用』は野菜の味がこれでもかとします。
野菜の味とは具体的に表現するのが難しいのですが、素朴で優しい味わいがします。
表現としてはあまり綺麗では無いかもしれませんが、雑草を食べる感じがします。
おそらく食べ慣れていない人にとっては、出荷用の野菜が美味しいのでしょうが、昔から田畑を駆けずり回った田舎生まれの人間にとっては、無農薬野菜の味は抜群に美味しく感じました。
以来その農家さんから特別に食べる用として生産している無農薬野菜を別けてもらっています。
簡単に手間要らずで作れるので、自分の家の庭でも無農薬野菜を育てるようにもなりました。
ちなみにこの農家さんは、販売できる有機野菜も作っていたそうですが、それは「手間がかかる割りに、無農薬ほど美味しくない。」そうなのですぐに作る事を止めたそうです。
一般の野菜と無農薬野菜は何が違うのか
普通の野菜との違いは『見かけ』と『時期』と『味』です。
見かけはとにかく汚いです。
中に虫が入っているのは当たり前ですし、ところどころ腐っている事も珍しくないので、そういった部分を取り除いていくと、過食部分は売っている野菜の半分ぐらいしかありません。
また形や色も最悪です。
三又の大根や、大根よりも太い、黄色いきゅうりがあります。
このご時勢では、ハウスや加温栽培が当たり前のように行われていますので、季節に関係なく様々な野菜を食べる事ができますが、無農薬野菜は原則的にその季節しか食べる事ができません。
ひょっとしたらハウスや加温での無農薬栽培を行っている人がいるのかもしれませんが、それを無農薬栽培と呼べるのかどうかは微妙に感じます。
無農薬栽培は季節の恵みだからこその味わいで、外的要因が加われば加わるほど、味が落ちていく気がします。
野菜が嫌いな子供と言うのはよく聞きますが、上記した農家の子供たちは皆驚くほど野菜を食べます。
農家の子供なのだから当たり前と思うかもしれませんが、この子供たちは、食べる用の無農薬野菜以外は食べません。
理由を聞くと「美味しくないから。」だそうです。
洗脳されているのではないのかと、ブラインドでテストを行ってみましたが、6人中6人が正解したので、味覚がしっかりしている子供には間違いなく味の差がわかるようでした。